株で10億円を目指すための基礎知識を解説しています。このブログでは、投資家が知っておくべき収益分析の指標について詳しく説明します。ホームページのリンクを概要欄に貼っていますので、そちらで話した内容を文字で確認しながら動画をご視聴いただけます。
それでは授業を始めます。
目次収益分析の指標について
会社が効率的な経営をしているかどうかを判断するための指標はいくつかあります。大きく分けると、取引収益性と資本収益性があります。取引収益性は企業がどれだけ利益を上げているかを示し、資本収益性は企業がどれだけ資産を活用できているかを表します。
取引収益性の確認方法
取引収益性を確認するには、損益計算書を使用します。損益計算書には売上高や売上総利益、営業利益、経常利益、当期準利益、販売費および一般管理費などが記載されています。これらの利益や費用が売上に占める割合を表した指標が取引収益性です。
- 売上高総利益率: 売上総利益 ÷ 売上高 × 100で計算します。これは売上に対する売上総利益の割合を示します。
- 売上高営業利益率: 営業利益 ÷ 売上高 × 100で計算し、営業利益が売上に占める割合を表します。
- 売上高経常利益率: 経常利益 ÷ 売上高 × 100で計算します。
- 売上高当期準利益率: 当期準利益 ÷ 売上高 × 100で計算します。
- 売上高反間比率: 販売費および一般管理費 ÷ 売上高 × 100で計算します。
これらの指標の適正水準は業種によって異なります。同じ会社の別の決算期と比較することで、利益や費用効率がどのように変化したか確認できますし、同業他社と比較することで、どちらが効率的に利益を上げているかも確認できます。
資本収益性の確認方法
資本収益性を確認するには、貸借対照表と損益計算書を使用します。貸借対照表からは自己資本や総資産の確認ができます。これらの資産を使ってどれだけ効率よく利益を上げているかを示す指標が資本収益性です。
- ROE（自己資本利益率）: 当期準利益 ÷ 自己資本 × 100で計算し、株主が出資したお金を使ってどれだけ効率的に利益を上げることができたかを示す指標です。
- ROA（総資産利益率）: 当期準利益 ÷ 総資産 × 100で計算し、会社の全ての資産でどれぐらいの割合の利益を上げるかを示す指標です。
例えば、A社の総資産が1000万円、自己資本が400万円、当期準利益が100万円の場合、ROEは25%、ROAは10%となります。B社の総資産が5000万円、自己資本が4000万円、当期準利益が500万円の場合、ROEは12.5%、ROAは10%となります。これにより、A社の方が自己資本に対して2倍の利益を上げていることがわかります。
ROEやROAの欠点
ROEやROAには欠点があります。例えば、ROEは資産を変えることで簡単に数字を操作することができます。利益剰余金を減らせば純資産を減らすことができ、ROEを高くすることができます。また、ROAは取引先に対する交渉力を反映できません。取引先に発言力が強い会社は、売掛金の支払いを留保することができるので、資金効率が上昇します。
ROIC（投下資本利益率）
ROICはROEやROAの欠点を解決した指標です。ROICは、税引後営業利益 ÷ 有利子負債 + 株主資本 × 100で計算し、事業に投下した資金からどれだけ効率的に利益を上げることができたかを示します。
例えば、営業利益が200万円、自己資本が400万円、有利子負債が100万円、法人税率が30%の場合、税引後営業利益は140万円となり、ROICは23.3%となります。これにより、本業で投資した資金の23.3%の利益を上げたことがわかります。
ROICの欠点
ROICにも欠点はあります。例えば、ROICの概念は難解であり、決算短信や会社四季報に記載されていないため、自分で計算する必要があります。また、ROICの計算には複雑な要素が多く含まれているため、理解するのが難しい場合があります。
関連する質問と回答
ROEとROAの違いは何ですか？
ROEは自己資本に対する利益率を示し、株主の投資効率を表します。一方、ROAは総資産に対する利益率を示し、会社全体の資産効率を表します。
ROICはどのように計算しますか？
ROICは税引後営業利益 ÷ (有利子負債 + 株主資本) × 100で計算します。事業に投下した資金からどれだけ効率的に利益を上げることができたかを示します。
取引収益性とは何ですか？
取引収益性は、企業がどれだけ利益を上げているかを示す指標です。損益計算書を使用して、売上高や売上総利益、営業利益、経常利益、当期準利益、販売費および一般管理費などの割合を計算します。
資本収益性とは何ですか？
資本収益性は、企業がどれだけ効率よく資産を活用できているかを示す指標です。貸借対照表と損益計算書を使用して、自己資本や総資産に対する利益率を計算します。
取引収益性と資本収益性の違いは何ですか？
取引収益性は企業がどれだけ利益を上げているかを示し、資本収益性は企業がどれだけ効率的に資産を活用できているかを示します。取引収益性は損益計算書を使用し、資本収益性は貸借対照表と損益計算書を使用します。
今回は、株式投資における収益分析の基本指標について解説しました。これらの指標を理解し、適切に活用することで、投資判断の精度を高めることができます。話した内容を文字で確認したい場合は、概要欄のリンクからホームページで確認してください。ホームページには用語集も設けていますので、そちらも活用いただければ幸いです。株式投資の参考になる動画も紹介していますので、ぜひご覧ください。
